結婚式場業「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」の策定にあたり
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出に伴い、特定警戒都道府県を中心に、緊急事態措置による自粛・施設等の利用制限の要請が出されているところです。
結婚式場に関しては、大半の都道府県が「社会生活を維持するうえで必要な施設」として、 要請の対象外となっておりますが、感染拡大を防止する観点から大半の施設が自主的に営業 を自粛しており、これまでに経験したことのない大変厳しい状況であることと思います。
この度、緊急事態措置による自粛・施設等の利用制限の要請等が解除や緩和された後の営 業再開に向けた「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」を別紙のとおり策定いたしました。
お客様及び従業員を感染リスクから守り、安心してご利用いただくためのガイドラインを目指すものです。
一方で、結婚式を予定していた新郎新婦にとっても、開催することへの不安を抱く方々が多数おられ、多くの報道にあるとおり、日程の延期等に係る全国の消費者センター等への相談が大きく増加している状況です。
これまでも、新郎新婦との十分な意思疎通を図ることやその意向に沿った対応をお願いしてまいりましたが、コロナウイルス感染症が収束するまでの間、日程の延期等を希望する新郎新婦の想いを誠実に受け止めていただき、これまで以上の柔軟な対応が求められております。
今後、営業再開にあたっては、ガイドラインに沿った感染防止対策に万全を期していただくとともに、新郎新婦にも十分な説明を行ったうえで、実施してください。
新郎新婦が契約から当日まで安心してブライダルサービスを受けていただき、これまで通りの結婚式が行われる日常が一刻も早く戻るために、この趣旨を十分にご理解いただき、業界が一体となった取り組みを図っていきましょう。
結婚式場業「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」
このガイドラインは、結婚式に参列されるお客様及び従業員、結婚式に係わる関連スタッフ全員をコロナウイルス感染のリスクから守るために策定したものです。
今後、緊急事態措置による自粛・施設等の利用制限の要請等が解除や緩和された場合、自治体から出される指導・要請に基づきつつ、本ガイドラインに基づく下記の感染防止対策を講じたうえで結婚式を実施してください。
なお、各項目の実施に際しては、「新しい生活様式」についても併せて参照いただくよう お願いします。
<参考>厚生労働省「新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html
また、今後の各地域の感染状況を踏まえて、本ガイドラインは、随時見直していくことと しています。(下記のうち、最新の改訂は下線箇所。)
1 結婚式場におけるリスク評価
結婚式は、来場者が予め特定されていること、来場・利用時間が限定されている等の特徴があるが、各結婚式場では、提供しているサービスの内容に応じて、新型コロナウイルス感染症の主な感染経路である接触感染と飛沫感染について、従業員や顧客の動線や接触等を考慮したリスク評価を行い、そのリスクに応じた対策を検討すること。
結婚式場において想定されるリスクは次の通り。
「接触感染」
パブリックスペース:テーブル・椅子・エレベーターのボタン・エスカレーターのベルト・ トイレ等
披露宴会場等:ドアノブ・テーブル・椅子・電源等スイッチ等 バックヤード:ドアノブ・エレベーターのボタン・お皿・グラス・シルバー等
「飛沫感染」
パブリックスペース:特定多数の参列者による混雑時の人と人との距離
披露宴会場等:換気の状況、席次への配意、余興内容等大きな声を出す場面の把握、入場・退場時の行列、混雑
2 感染防止対策
「共通」
- 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく感染拡大防止策を徹底すること。
- 人と人との間隔はできるだけ2mを目安に(最低1m)確保するよう努める。
- 従業員及び関連スタッフに対し、基本的な感染症対策「感染源を絶つこと」「感染経路を絶つこと」「抵抗力を高めること」について、徹底させること。
- 新型コロナウイルス感染症陽性とされた者との濃厚接触がある場合、同居家族や身近 な知人に感染が疑われる方がいる場合、過去14日以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国、地域等への渡航並びに当該在住者との濃厚接触がある場合、発熱や風邪の症状のある場合には、参列はご遠慮いただくよう、事前にご案内すること。
なお、来場者に発熱等の症状がみられる場合、検温等を行い、来場を制限する場合もある。 - 参列者の来場時間等を予め把握し、感染防止のため、参列者が密にならないよう係員による誘導等を行うこと。
- 施設内複数個所(玄関、会場入口等)に手指の消毒設備を設置すること。
- 列席者の来場時には、マスクの着用を求め、ロビー、控室、式場等においては、常にマスクを着用してもらうこと。
- 従業員及び関連スタッフについてもマスク(適宜フェイスシールド等)を着用すること。
- 施設内の換気を徹底すること。
- 施設内の消毒を徹底すること。
「挙式場」
- 参列者は、隣席との十分な間隔(※)を開けること。
「披露宴会場」
- 披露宴会場は、出来るだけ広めの会場を手配し、席の間隔は、飛沫感染が防げる十分な間隔(※)を開けること。
- 提供する料理は、個人盛りとし、大皿盛りは避けること。
- お酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けること。
- 使用するお皿・グラス・シルバー類は使用前の消毒、使用後の洗浄を徹底すること。
- テーブル、いす等は披露宴開始前に清拭消毒をすること。
- 披露宴会場等ドアの開閉は、原則として従業員が手袋を着用のうえ行うこと。
- 余興を行う際は、列席者と十分な間隔(※)を保つこと。
- 大声を発する余興等については、控えてもらうこと。
- マイクについては、使用の都度、消毒又は差し替えを行うこと。
- 迎賓、送賓を行う場合は、人が密集しないよう、係員による誘導を行うこと。
(※)「十分な間隔」とは、1m 以上、可能なら 2m 以上を目安とし、少なくとも隣の席とは 1 席程度の間隔をあけることをいう。
「写真」
- 集合写真を撮影する場合は、直前までマスクを着用し、会話を控えてもらうこと。
- スナップ写真を撮影する際には、密集となることのないポーズとすること。
「ロビー・控室」
- テーブル、ソファー、ドアノブ、エレベーターのボタン、エスカレーターのベルト等、不特定多数の者が触れる可能性のある個所については、定期的な清拭消毒を実施すること。
- 他の結婚式参列者と重なることのないようなタイムスケジュール、動線に配意すること。
- ロビー、控室等は、参列者が密になることのないようレイアウトし、マスクを着用してもらうこと。
「トイレ」
- 便器内は、通常の清掃で良い。
- ドアノブ、蛇口、手洗いシンク等は、定期的に清拭消毒を行うこと。
- トイレの蓋を閉めて汚物を流すよう表示すること。
- ハンドドライヤーは止め、ペーパータオルを設置するか、個人用にタオルを準備すること。
- 手を洗う場所には液体せっけん、手指消毒剤等を設置すること。
「清掃・消毒」
- 界面活性剤含有の洗浄剤や漂白剤を用いて清掃する。不特定多数が触れる可能性のある個所については、始業前には清拭消毒を行うが、手が触れることがない床や壁は、 通常の清掃で良い。
「バックヤード」
- 一度に休憩する人数を減らし、対面で食事や会話をしないようにすること。
- 休憩スペースは、常時換気することに努めること。
- 共有する物品(テーブル、椅子等)は、定期的に消毒すること。
- 休憩スペース等を使用する場合は、入退室の前後に手洗い、手指消毒などをすること。
「従業員」
- 従業員及び結婚式に係わる関連スタッフは、始業前及び実務開始前の検温、体調確認を徹底し、体調不良者については、他者と接することの無いよう配慮し、自宅で静養させる等の措置をとること。
- 従業員及び結婚式に係わる関連スタッフは、始業前及び実務開始前に手洗い又は手指消毒を徹底すること。
- ユニフォームについては、こまめに洗濯を行い、清潔に保つこと。
「ゴミの廃棄」
- 鼻水、唾液などのごみは、ビニール袋に入れて密閉して縛ること。
- ゴミを回収する人は、マスクや手袋を着用すること。
- マスクや手袋を脱いだ後は、必ず石鹸と流水で手を洗うこと。
「打ち合わせ」
- 顧客の要望によりオンラインでの打ち合わせが可能な環境を整えること。
- 新規接客においても、リモートでのご案内等の環境を検討すること。
- フェア等のイベント開催にあたっては、予め混雑しない様、日程、時間、人数を調整すること。
「その他」
- 美容室等、新郎新婦の体に直接触れる場合は、手洗いをよりこまめにするなどにより、接触感染対策を行うこと。
- 高齢者や持病のある方については、感染した場合の重症化リスクが高いことから、サービス提供側においても、より慎重で徹底した対応を検討すること。
- 万が一発生した場合に備え、個人情報の取扱いに十分注意しながら、参列者の名簿を管理すること。
- 従業員が濃厚接触者となった場合は、14 日間の「自宅待機」とすること。
- 従業員が感染した場合、当該従業員の濃厚接触者を特定し、「自宅待機」とすること。
- 対象の職場については、保健所と相談のうえ、速やかに消毒等の措置を行うこと。
- このガイドラインは、結婚式に係わる、パートナー企業、納入事業者等にも説明し、準拠を求めること。
- 営業再開にあたっては、新郎新婦に事前に十分な説明を行い、理解を求めたうえで、結婚式を実施すること。
以上